民 法 総 則
■意思と表示の不一致
◇心裡留保
表意者が自己物件を全く売るつもりがないのに「この物件を売るよ」と言ったような場合。
契約は意思表示だけで成立する為、原則有効となる。但し、相手が真意を知っていた場合(悪意の第三者)や普通の注意をすれば知り得た場合は無効となる。

◇通謀虚偽表示
相手方と通じて、嘘の売買譲渡契約を結んだような場合。
公序良俗に反する事が多い為、原則無効となる。但し、それを知らずに信じた第三者(善意の第三者)が登場してきた場合有効となり、通謀虚偽表示者が無効を唱えても、善意の第三者には対抗できない。
例1) A → 通謀虚偽表示 → B
  ※この状態では契約は無効
例2) A → 通謀虚偽表示 → B → 契約 → 善意の第三者
  ※本来はABの契約は無効であるが、善意の第三者を保護する為有効となる。
例3) A → 通謀虚偽表示 → B → 契約 → 悪意の第三者
  ※AB間の契約が通謀虚偽表示と知り契約する者に対して保護する必要はない為、無効となる。

◇錯誤
表意者がペット不可の物件と知らずにペット可の物件と錯覚して契約したような場合。
契約において重要な内容部分で錯誤がある場合は原則無効となる。但し、表意者に重大な過失がある場合は無効を主張できない。
ペット可の物件表示となっていた物を賃借したが、実際に住んでみるとペット不可物件であった場合を要素の錯誤と呼ぶ。
物件表示上、ペット不可とも可とも表示していない場合、賃借契約において、何も表示していないからペット可と思い込んで(錯覚して)契約したが、実際はペット不可物件であった場合を動機の錯誤と呼ぶ。但し、要素の錯誤と違って、ペット可の物件を探していると意思表示せず、何らかの方法でそれを知り得た場合は、錯誤による無効を主張する事はできない。


※知らなかった・知っていたを善意・悪意と法律用語では呼ぶ。一般的な用語の悪意とは背信的悪意と呼んでいる。

■時効
◇時効の中断
請求(裁判上の請求・支払督促など)、差押(仮差押含む)、仮処分、承認により時効の中断が生じ、それまで続いた時効期間は無意味となる。中断事由の終了により、新たに時効が始まる。

◇取得時効
所有の意思を持ち、平穏かつ公然に他人の所有物を占有した場合、占有した開始時より10年(善意無過失)それ以外は20年で取得時効が発生し、占有者の所有物となる。更に、占有は代理人によっても成立する。
但し、取得時効成立以降は登記なくして善意の第三者には対抗できない。

 次 頁 2002/07/25 追加